カントリー

最近おぼえて、気に入っている言葉があります。

それは「カントリーランブリン」。ランブリンというのは「ぶらぶら歩き、そぞろ歩き」ですから、「里山をとくに目的もなくぶらぶら歩くこと」という意味になります。

私は東京23区に生まれ育ちましたから、「里山」は遠足や旅行で訪れる特別な場所でした。それが15年前に埼玉県に引っ越して、「日常生活の隣にある場所」になりました。里山に暮らしているわけではありませんが、自転車で気軽に行ける距離に里山がある、という環境です。

一番近くにあるのは狭山丘陵ですが、ちょっと足をのばせば飯能や寄居、嵐山、都幾川など県内にはすてきな里山の景色がいたるところで見られます。埼玉県はいわば「里山のメッカ」なのです。

人が自然と密接にかかわって作り出した里山には、「いやし」の魅力があふれています。木を伐採し、あるいは植栽し、畑を開き、人々がそこで生活する。まさに人と自然の共生。里山の風景の美しさはつまり、自然の中の「人のけはい」にあると思っています。

四季を通じて楽しめるカントリーランブリンですが、私は今の季節が一番好きです。ブナやコナラなどの落葉樹が競うように緑の葉を広げ、足には小さな草々が可憐な花を咲かせる。野鳥がにぎやかにさえずるのもこの季節ならでは。ランブリンには最適の「BGM」だと思っています。
最初のころは植物図鑑を片手に、「この草は何だろう? この花の名前は?」と調べながら歩いていました。けれどそれはすぐにやめてしまいました。勉強したくてランブリンしているのではないのですから、私にとって図鑑はじゃまなだけだと気づいたからです。
今は、水筒だけもって、ただ歩く事を満喫しています。一人で歩くことが多いですが、たまに妻といっしょに出かけることもあります。目に入った花や景色の感想をおしゃべりしながら歩くのも、なかなかうれしい時間です。
一人には一人の、二人には二人の、それぞれちがった種類の楽しみ方ができるところも、「カントリーランブリンの魅力だと感じています。